コンポジットレジン修復でのフロアブルコンポジットレジンの使用は、窩縁部亀裂の防止にはならないのですか?
コンポジットレジンの重合収縮応力によって、窩縁部のエナメル質に亀裂が生じ、白線として認められるのをホワイトマージンとよびます。
つまり、選択肢aにあります窩縁部亀裂はホワイトマージンのことと解釈していただいて問題ありません。
今回の問題では、窩底部にフロアブルコンポジットレジンを使用した目的が問われています。
口腔内写真より、いわゆるC2程度の齲蝕を認めますので、窩底部には象牙質が存在していると考えられます。
本症例の窩底部にエナメル質は存在しませんので、窩底部にフロアブルコンポジットレジンを用いても、ホワイトマージンの発生防止にはなりません。
エナメル質窩縁に加わる重合収縮応力のコントロールという意味では、少しずつ積層塡塞したり、1層目にハイフロータイプを用いるなどが有効ですが、本問の設問内容とは異なっています。
また、根本的には遊離エナメル質をコントロールする窩洞形成・窩縁処理ができていれば、ホワイトマージンは十分に予防できます。
本問では、窩底部にフロアブルコンポジットレジンを使用することで、この上に追加塡塞されるペーストタイプのコンポジットレジンの重合収縮応力を緩和する緩衝層としての作用を示すことから、コントラクションギャップの発生防止につながります。