歯科医師国家試験対策コース

国試対策コース卒業生 合格者インタビュー

2023年度受講生
宮口 道成さん
(福岡歯科大学出身)

第117回歯科医師国家試験 合格

大学生活・麻布に通うことにしたきっかけ

大学時代はテニス部に所属していましたが、4年生の時にコロナ禍になってしまい、それ以降は活動ができなくなってしまったので、糸島に釣りに行ったりしていました。
テニス部の先輩たちが麻布に通って合格していたので、自分ももしもの時は麻布で頑張ろうと、大学の時から友達と話をして決めていました。

麻布での生活について

4月5月は麻布に慣れるため、とにかく毎日休まずに通学することを心がけました。6月頃から徐々に勉強量を増やして、夏ぐらいから一段階ギアを上げて勉強に取り組んでいった感じです。

麻布に入ってみて、通常の講義以外にもミニセミナーや口頭試問、学習相談等があり、国試受験に向けた環境が整っていると感じました。
自習をしていて自分の勉強法に迷いが出た時は、口頭試問を利用して、方向性の確認や自分の足りない部分の穴を埋めていきました。
暗記カードミニセミナーは、暗記することとその確認がセットになっているセミナーなので、かなり効率的に勉強できてとても良かったです。

講義が終わった後も周りはみんな残って自習していたので、「自分も勉強しなきゃ」という気持ちになり、講義後も麻布に残って勉強していました。「周りがみんな勉強している」環境に身を置くことはとても大事なことだと思います。
また「1年間」と考えると「まだ1年もある。」となってしまうので、「日数」で「あと◯◯日しかない!」と考えるようにして勉強を継続させていました。

国試までの乗り越え方

現役の時に受けた国試は、手が震えるほど緊張しました。
そこで、3回ある公開模擬試験では、本番の国試会場を意識して毎回受験をしていました。麻布では、試験監督の説明など毎回国試本番と同じような形式で模擬試験を行うため、本番会場をイメージしやすかったです。
国試は1年に1回です。その1回に万全を尽くすため、模擬試験ではいつも本番を意識して受験し、逆に国試本番は4回目の模擬試験のつもりで受験しました。

受験生なら全員がそう思っていると思いますが、自分も絶対に次の国試で合格したいと強く思っていました。だからこそ、毎日の勉強に耐えられたと思います。ただ自分の中で、1年に5日間だけ(日程は予め決めず)は「勉強したくない時にしなくていい日」を作れる、というマイルールを作りました。その1日を使って、2回目の模擬試験が終わった10月に、熊本までドライブしながらおもいっきり遊んで楽しんだので、すっかりリフレッシュできてその後は国試まで頑張れました。

これからのこと

有床を勉強していきたい。スポーツ関係や高齢者等の「噛む力」に興味があります。
最終的には実家の歯科医院を継ぎたいと思っていますが、研修終了後は自分の学びたい分野を深めるため大学院に進むことを考えています。
大学院卒業後は、大学にも籍を置きながら一般歯科医院で数年間一通りの知識と技術を学び、実家の歯科医院を継承していきたいと思っています。

TEACHER
有本 隆文講師

有本 隆文講師

疑問・質問を大切に

宮口さんの116国家試験の成績は、必修が3点届かず不合格でした。
117の国家試験に向けて、彼は必修の3点を重く受け止め「休まず講義に出席する」「講義後は必ず残って自習をする」等、毎日を意識高く過ごすことができる受講生でした。
入会時の面談や希望学習相談等で色々な話をしましたが、特に質問においては、どんな些細な疑問も1人で解決するのではなく、まずは講師に確認して「麻布と一緒に正しく理解する」ことを意識してもらうよう伝えてきました。

「理解できていないことを先生に咎められるのではないか」と考え、質問することを躊躇する受講生は多いです。ですが、質問自体に良いも悪いもありません。一人ひとりの理解度が違うように、個人個人で疑問に思うことも異なります。そして質問の内容から、麻布講師はある程度受講生の理解度を測ることができます。講師は一人ひとりの理解度に合わせた対応ができますので、疑問に思ったことは何でも聞きに来て欲しいと思いますし、それが「正しく理解する」一番の近道であると思います。

受講生の予想を超えることを意識した口頭試問

宮口さんは、「知識の穴を埋める」ことを意識して口頭試問を利用していました。
私は、単純な「知識の暗記」としての口頭試問のやり取りではなく、彼の試問の答えに対して、意識してその答えの予想を超えるような口頭試問を行いました。

例えば「局麻時に見られる偶発症の一つ、血管迷走神経反射に対する対処法は?」と質問した時に、「アトロピンを使います。」と答えてくれたとします。
そこからまた、「使う理由は?」「根拠となる生理学的知識は?」「薬物の特徴は?」等、受講生が思っていた答えの予想を超えた質問をすることで、足りていない知識に気づいてもらったり、知識を積み重ねて幅を広げてもらえるようにしました。

宮口さんの117国家試験の成績は、必修は70点を超えて合格となりました。
改めて合格おめでとうございます。歯科医師として頑張る宮口さんを、これからも応援しています!

受験生の皆さんへのメッセージ

既卒生の皆さん

「私は国試で1点足りなかっただけなので、普通に勉強すれば大丈夫だと思います」という話をよく聞きます。ここに大きな落とし穴があると思っています。合格基準に1点足りなかったことは、次の国家試験で「あと1点取れば良い」という問題ではありません。合格基準とは、国家試験をクリアするための最低基準です。1年間勉強してまたそこを目指すのですか?そして足りなかったその1点の裏には、重要な知識や理解の欠如が隠れています。毎日の勉強を疎かにせず、知識のインプットとアプトプットをバランスよく使いこなせるようになってください。その知識は、歯科医師になってからも必ず役立つはずです。

現役生(6年生)の皆さん

国家試験とは、高得点を競う試験ではありません。歯科医師として責任を持って患者さんに対峙できるだけの知識が備わっているかを確認する為の試験です。重箱の角をつつくようなマニアックな知識や考えにこだわるのではなく、王道としての「歯科医療の基礎」を身につけるような勉強を心がけてください。

2024年9月取材